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英語の文法に「未来形」は存在しません

最近ひょんなことから英語の文法について調べる機会が多々ございます。

そんな中で、個人的に史上最強クラスで驚いた概念がこれです。

英語に「未来形」は存在しない



これから英語を学び直す方や留学出発前、あるいはもう英語なんてペラペラですという人にも喜んでもらえる内容だと思ったので共有しようと思います。

きっかけはifの条件節

この概念と出会ったのはたまたまでした。

「もし〜ならば」と仮定するときに使う"if"ってのがありますよね?

これについて軽い気持ちで調べていたときのことでした。

皆さんは中学生の時にこんな風に習っています。

「if節の動詞は現在形だから注意するように」と。

どういうことか。

Let's play tennis if it is sunny tomorrow.(明日晴れたらテニスをしましょう)

tennis racket and ball on field
ここで、if節(=it is sunny tomorrow)の動詞は "is" と現在形にしなければいけません。ここでこんな風に思ったことが一度はあるのではないでしょうか。

『どうして「明日晴れたら」と未来の話をしているのに現在形なのか? if it will be sunny tomorrowじゃダメなのか?』

そしてこの質問に対する先生の答えはこうだったはず。

「仮定のifのときは現在形にすると覚えてしまいなさい」

この謎に迫りたくてネットで調べていたら出会ってしまったのです。

英語にはもともと「未来形」なんて存在しない

ここで動詞について考えてみます。たとえばbe動詞には、am/are/is/was/wereの5つがありますよね。

be動詞は自らが形を変えて活用していくんですが、問題はどんなときに活用するか?ということです。

もうお気づきかもしれませんが、

現在形を作りたいとき → am/are/is
過去形を作りたいとき → was/were

となり、be動詞単体で未来のことを表すのは不可能です。

これは他のどの動詞にも共通して言えることです。現在形を作りたいなら原形か3単現のsをつければいい、過去形を作りたいなら語尾に(e)dをつければいい。つまり、その動詞自体を活用することができます。

でも未来形を表すwillがあるではないか!

僕もそう思いました。

ところがこの概念は「未来形の存在」そのものを否定しています。

willは助動詞と呼ばれるものですが、willの本当の意味は「未来」ではないんです。

willは①予想の助動詞であり、②意志の助動詞である、「未来」を示しているわけではない。

これがその概念の主張です。

①It will rain tomorrow.(明日は雨が降るだろう)
②I will study English very hard before leaving for Canada.(カナダに出発する前に一生懸命英語を勉強しようと思っている)

①は予想だし、②は意志。このようにして「未来形」の存在自体を否定することで、最初のif節の話がすっと理解できるようになります。

if it will be sunny tomorrowになると何がおかしいか?

さて、では最初の問題に戻りましょうよ。

Let's play tennis if it is sunny tomorrow.(明日晴れたらテニスをしましょう)

ここで "will" が間違いな理由はおわかりでしょうか?

willは予想or意志を示す助動詞であり、「明日晴れたら」という文にはそのどちらも該当しないですよね。

「明日晴れるだろうなら」はおかしいし、「明日晴れるつもりなら」もおかしい。

willは助動詞のひとつであり、決して「未来形」をつくるためのものではない

繰り返しますが、willはただ単に助動詞のひとつです。英語の助動詞といえば、can/may/should/could/might/had betterなどがありますが、その中のひとつがwillというふうに考えるべきなのです。

She will be there in a few minutes.(彼女は数分後には来るだろう)
She can be there in a few minutes.(彼女は数分後に来れる)
She may be there in a few minutes.(彼女は数分後には来るかもしれない)

まとめ

というわけで、僕が個人的にとっても驚いたwillの捉え方のお話でした。英語の文法ってすごく奥が深くて、今まで習ってきた英語が実は違っていたということが結構あります。というか、専門家によって言ってることが違ったりすることもあるみたいなので、なにが正解でなにが不正解ということではなく、こんな捉え方もあるんだよくらいに思っておいていいのかもしれません。それにしても、この「未来形否定論」は僕的にかなりツボでした。

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