現地に到着直後から自己隔離生活〜留学生の今をレポート〜
1ヶ月前にカナダの穴場都市カルガリーへワーホリで出発したRikoさん(左)とMikuさん(右)
現在カルガリーでも国内の他の都市と同じように隔離生活が続いています。
たまたまRikoさんと同じ日に僕自身がバンクーバー出張に出発する予定だったので電車で新千歳空港に向かっていると、Rikoさんのホームステイを手配してくれている学校から連絡が。
"Could you please let us know if the student is already flying to Calgary?"
Rikoってもうカルガリー行きの飛行機乗っちゃってる?
出発当日にこんな連絡が来ることは普通ないので不吉な予感が、、、彼女がすでに札幌を出てしまっていることを返信したところ次のようなメールが返ってきました。
"Despite the low risk as assessed by PHAC, we cannot compel our hosts to accept students if they wish to cancel their commitments. Adults will need to find their own accommodation outside of CHN’s homestay program, at their own expense. Riko will also need to find her own way to her hotel. "
PHAC(カナダ公衆衛生庁)は感染リスクは低いって言ってるけど、学校としてはホストファミリーに学生の受け入れを強要できないから、成人の生徒さんはホームステイ以外の滞在先を自己手配でお願いしないといけなくなっちゃいました。ホテルまでの移動も自分でなんとかしてください。
なんということだ、、、
東京で乗継待ち中の本人に状況を伝えましたが、ご家族との話し合いの末そのまま出発することに。
カルガリー行きのフライトまで幸い少し時間があったので、ご自身でホテルを予約してもらい、現地到着後ホテルでの自己隔離生活が始まりました。
当初の自己隔離生活は今ほど厳しくはなかった
空港から車で15分、電車だと50分近くになるこちらのホテルがRikoさんの隔離場所。出発前のオリエンテーションでホームステイ先に子供がいると喜んでいたRikoさんですが、ファミリーに会うのはこれから2週間お預けです、とほほ
基本的には室内にいる日々。
左の画面のおっちゃん、気になりますねえ
「最近なにしてるの?」「お土産で持ってきた折り紙ずっと折ってます笑」の写真
ちなみにこちらはRikoさん作「メープルの葉」
すごい折り紙技術だ、、!
食事はどうしていたのか?
最初の1週間ほどは朝食のビュッフェがついていたのですが、コロナ事情は日に日に深刻になっていったため、当初ついていたビュッフェもそのうちなくなり部屋食に切り替わったそうです。
パンに卵、ポテトとベーコン?でしょうか。なんかすごいけど「ないよりはまし」(本人談)
毎食ホテルから出るわけではないので食料を求めて近くのスーパーにも足を運んだそうですが、キッチン使わずに食べれるものが全然なくて水と缶詰しか入手できなかったとのこと。
外出は?
この頃は自己隔離といっても外出を禁止されているわけではありませんでした。今は外出していることが発覚した場合高額な罰金を取られてしまいますので状況が違いますね。
マクドナルド帰りのRikoさん(え、2袋?!)
Rikoさんとはこの時期頻繁に連絡をとりあっていましたが、「暇すぎてベッドの上で踊ってる」って言ってたのでお腹がすごく空いたのだろうと思われます。
格好を見ていただくとわかるのですが、カルガリーは極寒の地で知られています。今年は暖冬だったので3月には札幌もほとんど雪がなくなっていて気温もプラスの日が続いていたと記憶しているのですが、カルガリーは激寒だったようです。
2週間の隔離生活を経てホストファミリーと合流
2週間のホテル生活後、予定通りホストファミリーと合流したRikoさん。
実はホストマザーとはずっと連絡を取り合っていたそうで、隔離期間中も毎日心配のメールが届いていたそうです。まだ会ったこともない生徒さんに対して、本当の家族のように心配の連絡をくれるファミリーもこれまたすごい方々ですよね。
念願の合流を果たしたファミリーはお父さんにお母さん、そして2人のわんぱくボーイたち。ベイビーたちがずいぶんと懐いているようで、「ホストファミリーの写真ちょうだい」ってお願いしたら躍動感あふれる写真の数々が送られてきました。
ベイビーたちは毎朝起こしにきてくれて、寝る前もGood nightのハグとキスをするんですって。隔離期間で鬱屈とすることなくメロメロな日々を送っていらっしゃいます。
また、学校に行くことができないRikoさんを気遣って、ホストファザー&マザーが毎晩英語のレッスンをしてくれているとのこと。しかもお題が与えられて5分間のスピーチをするという本格的なものでもはや授業(笑)
ホテルでの孤独な隔離生活を乗り越えた先にあったのは、楽園でした。
ピンチをチャンスに変える力に感服
Rikoさんとは出発日から頻繁に連絡を取り合っていましたが、初めての長期滞在で不安もあるだろうにとにかく明るく過ごしているのがとても印象的でした。
「なんだかんだカナダに来れただけでもテンション上がってます」
正直普通の留学生と比べ物にならないくらいトラブル続きなんですが、彼女とLINEや電話をするたびにいつもこう言ってくれます。これって本当にすごいこと。同じ週にカルガリーに渡航したMikuさんも、いろいろな不満や不安はありながらも前向きにがんばっています。
このポジティブさがホストファミリーの優しさをはじめ、いろいろな良い要素を引き寄せているんだと僕は思います。
自分の力ではどうにもならない問題に不満や文句を言うのは簡単ですが、それよりも自分の考え方や行動をポジティブに変えていく力が特に留学生活中はいろいろな場面で必要です。
このような状況の中で生徒さんを送り出すことに関してはいろいろな意見もあると思いますが、Rikoさんたちを見ていて改めて留学生の潜在能力・ポテンシャルに気付かされた気がします。
心からやりたいこと、楽しみにしていることがあれば、コロナなんか敵じゃない。本人の捉え方次第でよくも悪くもなる。
そんなことに気付かせてくれたRikoさんに感謝です。
(もちろん留学生にはそれぞれ事情がありますので、この決断が良くてこの決断は間違っているということではありません)
Naoki