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カナダは銃社会?

海外留学を考える上で治安を気にする方は多いと思います。特にアメリカは銃社会で、銃乱射事件の報道を目にすることも少なくありません。そんな自由の国アメリカの隣に位置するカナダの気になる銃事情をリサーチしました。

まずはカナダの銃器の扱いについてみていきましょう。


カナダの銃器の取り扱い

カナダでは、銃の所持は免許(5年更新)による許可制です。免許取得にあたって、Canada Firearms Safety Couseというコースを修了する必要があります。このコースは自動車の教習所のように知識面と実用面の2つのパートに分かれています。

そして所持可能な銃の種類は大きく3つに分類されます。

Non-Restricted Weapon(規制対象外):狩猟用ライフル銃、ショットガン等
Restricted(規制対象):拳銃と一部のアサルトライフル系・セミオート銃
Prohibited(禁止対象):セミオートライフルや拳銃

ただし、その使用に関しては法律で厳しく取り締まりがされていて、ほとんどの一般市民は銃を持って街中を歩くということはできないようです。僕もカナダの街中で銃を持って歩いている人は見かけなかったです。

自宅で自衛のために所持している人もいたのでしょうが、それも直接目にしたことはなかったです。


銃撃事件はゼロではない

コロナの世界的パンデミックの最中の2020年4月20日、カナダの東部ノバスコシア州で男が複数の場所で発砲。警察官を含む20名以上が死亡するという事件がありました。これはカナダの歴史上最悪の銃撃事件に。

カナダでは2018年にトロントで、2017年にはフランス語圏のケベックシティでそれぞれ死傷者を出す銃撃事件があったこともあり、カナダのジャスティン・トルドー首相はかねてから銃規制の強化を政策のひとつとして打ち出していました。

そして4月のノバスコシアでの凄惨な事件を受けて、5月1日、殺傷能力の高い銃器約1500種類の輸送・輸入・販売・使用の禁止を発表、即時発効としました。


"These weapons were designed for one purpose, and one purpose only. To kill the largest number of people in a shortest amount of time. — you don't need an AR-15 to bring down a deer. "

「こうした武器はたったひとつの目的で作られた。多くの人を短い時間で殺すというたったひとつの目的で。」

「鹿一頭を倒すためにAR-15なんて必要ない」

By Justin Trudeau


出典:Canada's National Observer

賛否両論あり

日本に住んでいると銃は身近ではないので、銃を保有したり使用したりすることには漠然と恐怖や抵抗感を持つ方が多いような気がします。少なくとも僕はそうです。護衛用に銃を保持するという言い分はわかりますが、それ以上に恐怖が勝ってしまう。

ところがカナダでは、このトルドー首相の発表に対する反対意見が少なくありませんでした。

彼らの言い分としては

①凶悪犯罪で使用された武器の多くは非合法的に入手されているので、販売や使用の禁止には意味がない
②多くの国民は厳しい法律をきちんと守っている

などが挙げられています。

特にこの①は、アメリカが隣にあることがかなり関係しているようで、2012年までは銃犯罪で使用された銃器の75%以上がアメリカから非合法ルートで入ってきたものだったようです。ところが最近はカナダ国内で合法的に銃を所有している人がブラックマーケットで違法で販売をするスタイルが横行しているとのことで、法律を強化しても銃犯罪の回避にはつながらないとの見方をしている人たちが多い。


出典:Kiro7

とはいえ、カナダはお隣アメリカに比べれば銃使用の犯罪は極端に少ないといえます。毎年「世界で住みやすい都市ランキング」のTOP10に3〜4都市は選出されるカナダという国は、その治安の良さも世界的に評価されています。

留学中の生活で銃の恐怖に怯えるということはまったくといっていいほどありませんので、そこはご安心ください。もちろん、何があるかはわかりませんが、それは日本国内を含め世界中どこにいたって一緒ですので。

Naoki