まったく英語できない人のコミュニケーションが興味深い
僕個人の経験、そして留学を経験した周りの友人や帰国した生徒さんを見ても、留学で一番伸びるのは明らかに「リスニング」です。これは明らかです。
僕は留学前はリスニングがとにかく苦手でした。力試しで解いてみたTOEICの問題も、リスニングの正答率は6割ほど。リーディングの方が明らかに得意だったんですが、1年のカナダ留学を終えて帰国した直後のTOEICでは苦手だったリスニングがほぼ満点になってしまいました。「速すぎる」と思っていた音声が、スローモーションに聞こえて感動したことを今でも覚えています。
なぜリスニング力がそんなに伸びるのかを考えると、やはり英語のシャワーを浴びるからでしょう。毎日の生活の中で次から次へと英語が耳に入ってくる環境であれば、当然耳が慣れていきます。
では英語が話せるようになるにはどうしたらよいでしょうか?英語を聞きまくってリスニングが伸びるなら、英語を話しまくればスピーキングも伸びる。そんなふうに考えますよね。ところがこれがうまくいかないのです。
話すためには基礎が必要
先日、ひょんなことからイケメンアメリカ人とお話をする機会がありました。その場には僕以外に留学経験のない純日本人(女性で、どうやらそのアメリカ人のことがタイプのようす)が一緒にいました。彼女は高校卒業以来10年ほど英語にはまったく触れてこなかった英語初心者だったんですが、個人的にどんなコミュニケーションをとるのだろうと興味があったので、会話の様子を観察してみました(性格悪い)
彼女は自分のことを知ってもらおうと自己紹介をしようとするのですが、おもしろいくらい伝わらない。「ケーキ屋さんで店長をやっている」と言いたいんですが、
「ケーキ」「マネージャー」「ウォーク」
と自分のことを指差しながらカタカナで単語を並べてみるものの、まったくわかってもらえない。(「ウォーク」と言ったときには笑ってしまった、、、)
まあ、ちょっと極端な例だったかもしれませんが、つまりはこういうことです。「話しまくればスピーキングは伸びる」はそりゃそうなんですが、「話す」ことができる知識があるかどうかがまず大切だということです。
知識というのは
・単語の知識
・文法の知識
・発音の知識
などのことです。最低限の基礎がないと、「話しまくる」こと自体できないわけですね。
日本語と英語の言葉の差
Google翻訳のクオリティがどんどん上がってきていることから、いずれは通訳がいらなくなるんじゃないかみたいな話がありますが、そうなるのはまだまだ先になりそうです。
先ほどの2人は翻訳機能を使いながら一生懸命コミュニケーションをとろうとしてるのですが、横で見ているといちいち微妙なニュアンスが伝わってないのです。
「飲み物飲む?」と聞くために「飲み物を飲みますか?」とGoogle翻訳に打ち込むと出てきたのが「Do you have a drink ?」
これでは「あなたは普段飲み物を飲むんですか?」という意味になってしまいます。ここではもちろん、「今飲み物を注文したいかどうか」を聞きたいわけですよね。こういう微妙なニュアンスの違いがコミュニケーションのずれを引き起こしていきます。
実際、その2人はLINEのやりとりでもかなり苦労していたようで、デートの日取りまでちゃんと決めれてませんでした(笑)それでも最終的にはすごく仲良くなってたのでそれはそれで良かったのですが。
というわけで、英語を話せるようになりたいと思っている皆さん。まずは自分の知識のキャパシティを増やすことに時間を使いましょう。実践的な会話の練習ももちろん大切ですが、どちらかといえば特に最初は知識を増やすことに比重を置いてくださいね。
Naoki