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マイナスだけじゃない。コロナが教えてくれたこと

札幌でもついに緊急事態宣言が明けて、徐々に日常を取り戻しつつあります。

3月からコロナが世間を賑わせ始めてから3ヶ月近くが経とうとしていますが、この3ヶ月で様々な「当たり前」が崩壊して新たな常識が生まれてきました。

外出時のマスク着用、ソーシャルディスタンス、テレワーク。

マスクやソーシャルディスタンスは一過性のものにしたいですが、テレワークという働き方なんかは今後世の中に定着してもおかしくないですよね。

そもそもテレワークは技術的にはもうとっくに常識化していてもよかった働き方。それでも、人は変化を嫌い安定を求める生き物ですので、新しいシステムを導入したり働き方を変えるということになかなか取り組んできませんでした。

コロナ騒動で学んだこと、というか改めて実感したことは、人類は生きるか死ぬかの瀬戸際に立って初めて大胆な変革を起こすのだということです。


留学の形も変わりつつある

コロナは留学業界にも間違いなく大きな影響を与えました。正直、数ある業界の中でも一番ダイレクトに影響を受けている業界の一つだと思います。

そんな負のインパクトが計り知れない一方で、少なからず恩恵も受けています。

その最たるものが、オンラインレッスンの可能性の発見。

「オンライン 英語」といえば、Camblyやレアジョブなどのマンツーマン英語レッスンがこれまでの常識でした。フィリピン 人講師を採用して安く授業を提供するものもあれば、少しお値段は張るけれどもネイティブ講師から指導を受けられるものまで、まあ大きく分けてその2つがこれまでのオンライン英会話の選択肢でした。

ところがカナダをはじめ留学先として人気の国にある語学学校が次々にオンラインレッスンを開始。英語教育の最前線で経験を積むベテラン講師陣の質の高い授業がオンラインで受けられるようになりました。

個人的には、第一線で活躍している女優がYoutubeに参入してきたみたいな感覚。

このオンライン授業が今後の留学業界の常識となっていくか否かはちょっとまだわかりませんが、新たな可能性を見出すきっかけになっていることは間違いありません。


オンライン授業のメリット・デメリット

コロナでお問い合わせが激減してしまい、一体留学業界の人たちはこの時期に何をしているんだろうと思っている方もいるかもしれません。が、やることは結構たくさんあって、忙しさ的にはあまり今までと変わりません。働く場所が家になったことくらい。

そして新たなミッションとしてトライしてきたのが、語学学校のオンライン授業を実際に体験してレポートを作るということ。僕も人間なので新しいことに挑むのには抵抗があります。正直、オンラインでの授業にも最初は良いイメージがありませんでした。今考えれば完全に食わず嫌いです。

実際にオンライン授業を受けてみて感じたのは、「意外と全然いける」ということ。

特にある程度英語の基礎があってスピーキングをメインで鍛えたい人や、大学進学あるいはIELTSスコアアップなど明確に目標のある人にとっては、もはや留学の必要性を感じさせない(それは言い過ぎ)レベルです。

他にもメリットがあります。

現地の専門学校(カレッジ)進学に挑戦するため現在オンラインで進学コースを受講しているHarunaさんは、移動の時間がなくなったことをメリットに挙げていました。

家から学校までの移動時間、学校が終わってからの帰宅の移動時間がなくなるので、授業が終わってすぐに復習に取り組んだり、プロジェクトの準備を始めたりできるからです。

また、トータルの留学費用を削減することができるのもオンラインを取り入れる魅力。現地のカレッジ進学を目指すHarunaさんの場合、進学コースのための6ヶ月をオンラインで受講することで、現地での生活費や保険等の費用を大きくカットすることに成功しています。

もちろんデメリットもあります。

電波の問題で音が途切れたりよく聞こえないことがあります。オンラインならではのタイムラグが気になってしまうことも。

また、英語をすっかり忘れてしまって基礎から学び直さなければならない人や現地での観光や旅行、友達作りに魅力を感じて留学を希望するような人にとっては、オンラインでは明らかに役不足です。

なにごとにもメリットデメリットがあるのは当然のこと。大事なのは、自分が留学に対して何を求めているのかをよく考えてオンラインでよいのかよくないのかを考えることです。コロナはその選択肢を与えてくれたという意味で、新たな価値を提供してくれています。


コロナは大切なことを教えてくれた

出発を間近に控えていた生徒さんや、渡航直後にロックダウンで外出できなくなってしまった生徒さんは特にコロナの影響を受けた被害者といえます。

様々な事情があってキャンセルを余儀なくされてしまった方もいらっしゃいます。

人生を大きく変える一大イベントである留学を一度決断して諦めるという精神的負担は相当なものだろうと思います。子供の時に、楽しみにしていたテレビ番組が野球中継の延長で放送延期になったときの、あのどこにぶつけていいのかわからない悔しさにも似たところがあると思うのは僕だけでしょうか。

それでも僕たちは、こうした痛みを経て成長していくのだろうなと思います。

留学業界に限らず、様々な場面でこれからもなにかしらの変革がおとずれます。そのたびに、これまでの常識的概念を打ち破り、変化に対応をしていくのが人の運命。

変化を受け入れず安定を求める自分を客観的に見つめ直し、変化についていくという意識を持つことで、時代に取り残されずに生きていけたらいいなと、そんな風に感じる今日この頃です。

Naoki