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カリフォルニアロールの正体

僕が初めてその存在を知ったのは、ワーキングホリデーでカナダに滞在しているときのことでした。いつ誰と行ったのか、詳しいことはすっかり忘れてしまったんですが、あのときの感情は今でも鮮明に覚えています。僕のお腹の中は怒りで煮えたぎっていました。

カリフォルニアロール


カナダに限らず、海外の日本食レストランであれば必ずといっていいほど提供している巻き寿司です。当時はイラッとしました。だって、SUSHI Restaurantで出てくるCalifornia Rollですよ?我々純日本人にとってまったく馴染みのない寿司が、平然といかにも「これは日本の伝統である」みたいな感じで出されているんですよ?

「こんなの寿司じゃねーぜ!」「これを日本の文化と思ってもらっちゃ困るぜ」と、20歳の僕はこう思っていました。

そんな僕でも、今ではカリフォルニアロールは好物のひとつです。海外に行ったら必ず食べたくなります。そんなカリフォルニアロールの起源に迫ります。実は、カリフォルニアロールの発祥にはいくつか説があるのです。代表的なものを2つ紹介します。

「カリフォルニア発祥説」

カリフォルニアロールっていうくらいだから、当然カリフォルニア発祥説があります。1963年に、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスにあるリトル東京(チャイナタウンの日本版みたいなもの)のレストラン「東京會館」のスシ・バーにおいて、寿司職人の真下一郎(ました いちろう)さんという方が考案したとされる説です。


「バンクーバー発祥説」

いや違う、カリフォルニアロールはバンクーバー発祥だ、と唱える人もいます。カナダのバンクーバーにある日本料理店「Tojo's」の東條英員(とうじょう ひでかず)さんが1974年にTojo Rollなるものを考案、当時よく通ってくれたお客さんがロサンゼルスから来ていた、だからそれが現在のカリフォルニアロールの元祖だという説です。

こんな動画まで作られています。

人気の秘密

どちらの説が正しいかを議論するのもいいですが、まずはカリフォルニアロールというものが海外に受け入れられているという現実に目を向けるべきです。(当時の自分に対して言ってます)

今でこそSUSHIは世界共通語になっていますが、上記の2つの説の時代である1960年とか1970年というのはまだまだ認知されていませんでした。日本の寿司を世界に広めたい、という熱い想いを胸に試行錯誤した結果が今に結びついています。

もともとアメリカ人は生の魚を食べるという習慣がありませんでした。そこで、具材にはアボカドやカニカマ、きゅうりなどを使うことで酢飯を楽しんでもらうという発想に至ったわけです。

また、当初は普通の巻き寿司のように、海苔が外側に来るように巻いていたようですが、気持ち悪がってみんな海苔を剥がして食べていたそうなんです。そこから、海苔を内側にして巻くことで海苔への抵抗感を取り除くことができるようになったと言われています。


異文化の融合には工夫が必要

改めて感じたのは、ひとつの文化を別な文化を持つ国や人々に認めてもらうためには、様々な工夫が必要だということです。「カリフォルニアロールなんてわけわかんないオリジナルの寿司作んなくていいから、日本のちゃんとした寿司を出せよ」って思ってた若かりし頃の自分の甘さを痛感。「寿司」にこだわり続けていたとしたら、「SUSHI」ブームは決して訪れることがなかったでしょう。

食べ物にとどまらず、人間関係においてもこれは真理じゃないかなーなんて思っちゃいました。

Naoki