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バンクーバーのダークサイド「DTES」

カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の最大都市バンクーバーは、都会と自然の融合したバランスのとれた街で、住みやすい都市であることから留学生に人気です。

何をもって「住みやすい」とするかの指標には気候やインフラ等いくつかありますが、最も重要なファクターのひとつに「治安の良さ」が挙げられます。

バンクーバーも例外ではなく、治安の良さは非常に良いです。
「治安」の話になると、我々日本人はどうしても比較対象が日本になってしまいますが、正直日本の安全度はいい意味で度を越しているので、あまり比較しても意味がない気もします。

日本に比べれば気は使わなきゃならないけど、世界的に見れば安全。

そんな認識を持ってもらいたいわけです。

今回は、しかしながら、あえてバンクーバーの危険なエリアについてのお話をします。
少々刺激的な内容になるかもしれませんが、これを理由にバンクーバーを敬遠する必要はまったくありません。
むしろこの程度のことは、日本を出て海外で暮らすことを本気で考えているなら受け入れなければならないです。
そのくらいの心持ちで、お読みいただければ幸いです。


DTES

バンクーバーの危険エリアとして真っ先に名前が挙がるのが、Downtown East Side(DTES)と呼ばれるエリアです。

East Hastings St(イースト・ヘイスティングス・ストリート)沿いの、ガスタウンのすぐ隣を南北に走るCarrall St(キャロル・ストリート)とClark Dr(クラーク・ドライブ)という通りの間の区間です。



E Hastings St と聞くと「危ない」というイメージが先行しがちですが、実際に気味が悪いのはDTESエリアのみで、そこを外れればまあ普通です。

「危険」というより「気味が悪い」

これはあくまでも僕の主観ですが、「危険」というよりは「気味が悪い」という感じです。

そう感じるのは、このストリートにはホームレス、薬物中毒者、精神障害を抱える人が多く集まっていることに起因します。

DTESには、保護施設や炊き出し、薬物中毒者のための注射施設など健常な生活を送ることのできない彼らのために様々なサービスがあります。



個人的におもしろいなと思ったのは、薬物中毒者のために安全に注射を打ってもらえる環境があることです。
このエリアを歩くとわかりますが、使用済みの注射器が結構たくさん落ちてるんですね。
注射器を使い回したりして感染症にかかるのを食い止めるために、そうしたサービスまで提供しているというわけです。


出張のときにうっかり

E Hastings St沿いではありますがDTESを外れたエリアにいくつか語学学校、カレッジが並んでいます。
出張の際、朝一でそのうちの1校の学校見学をさせてもらうことになっていたのですが、降りるバス停を1駅間違えてDTESエリアをもろに横断したことがありました。
早朝だったので、さすがにちょっと怖かったですね。



目の焦点が合っていない人や奇声を上げている人などが無数にいる感じで、道端の注射器が「気味の悪さ」を助長します。
札幌の街を歩いていても絶対に味わうことのない気味の悪さなのでちょっとびっくりしてしまうかもしれませんが、じゃあ危害を加えられるかというとそういう話でもないので、あまり近寄らない方がいいですよーという感じです。

ここは日本じゃないんだという意識

世界的に治安が良い都市として留学生にも人気なバンクーバーについて、あえて「気味が悪い」エリアをご紹介しました。
大切なのは、自分が今いるのは日本ではないんだという意識を持っておくこと。
海外で生活するためにはマストなマインドでしょう。
DTESのエリアを歩くと強烈なカルチャーショックを受けるでしょうが、それもひとつの社会勉強と思って、何かを感じ取るきっかけにしていただければなと思います。

Naoki