留学あるある「日本人多い」に対する考え方
昨日、バンクーバーで2ヶ月の短期留学から帰国した生徒さんとランチをしていろいろとお話を聞かせていただきました。
彼女が言っていたことで一番印象的だったのは、
「語学学校に日本人が多すぎて、留学が無駄に感じる。学校変えようかな」
と思っている日本人留学生がかなりいるということでした。
僕自身も、バンクーバーに留学したときには「日本人多いなあ」と感じました。特に、僕が通っていた語学学校はバンクーバーでも特別日本人(と韓国人)が多く、割合的には全体の8割が日本人・韓国人だったと思います。
「留学=英語環境」と考えてはいけない
「留学をすれば、現地に行けば、英語を使わなきゃいけなくなるだろう」と安易に考えていると、実際に現地に行った時に現実とのギャップを感じることになります。
カナダの場合は、トロントとバンクーバーが留学先としては2大人気都市となります。都会なので人が多く集まる、利便性が高い、仕事がたくさんある、質の高い語学学校や先生が集まるなどが人気の要因です。
弊社からカナダに留学する方も8割はバンクーバーかトロントを選びますし、おそらくほとんどの留学エージェントがカナダに関してはこの2都市に人気が集中しているはずです。
だから、日本人留学生が語学学校に集まるのは当然。街自体に日本人留学生がたくさんいるのだから、学校を変えたって日本人はいるんです。バンクーバーやトロントを選んでおいて、日本人留学生が多すぎるから学校を変えたい、というのはナンセンスと言わざるをえません。
とはいっても、日本人が多いと困る
「日本人が多い」という事実を変えることは誰にもできないです。だからといって、日本人が多いと英語が上達しないよと感じる気持ちもわかります。
そこで考えるべきポイントは、「じゃあどうやったら日本人が多い環境で英語を使うか?」
英語をはじめ言葉というものはすべて、使わなければ伸びません。日本人が周りに多ければそれだけ日本語を使う機会が増え、それに反比例するように英語を使う機会が減っていくのは当然です。
だから英語を使うためにどうすればいいかを考えなくてはいけません。
①日本人とも英語で話すと決める
日本人同士だとしても英語で話すと決めて、一切日本語を使わないという方法があります。
この方法は、強い決意が求められるうえ、相手にも同じくらいの決意が必要です。もし英語レベルが高くない場合、お互いに言葉に詰まり結局日本語に逃げてしまうなど、途中で挫折してしまう可能性も大いにありえます。
また、日本人同士だと、何を言おうとしているのかがなんとなくわかってしまうので、そんなにお勧めはできません。
が、そのくらいの強い気持ちを持って留学生活に臨む、というのはとても大切なことだと思います。
②日本人と関わらない
これはそもそも日本人との関係を断つということですが、個人的にはこれもあまりお勧めはしないです。留学というのは出会いの場でもあります。留学をしなかったら絶対に出会わないような人との出会いの連続です。
せっかく留学先で出会った日本人と一切関わらないというのは、あまりにももったいないと思います。
留学の目的が語学の向上のみ!という人であれば、一切日本人とつるまないというのもいいのかもしれませんが、それではあまりにも寂しすぎますよね。
③日本人が少ない環境に身を置く
日本人との関わりを自ら遮断することなく英語を使う場面を増やす方法としては、これが一番でしょう。どうやって日本人が少ない環境に身を置くか、を考えるのです。
たとえば、語学学校には多くの日本人留学生が集まりますが、実は日本人留学生が集まりやすいクラスというのがどの学校にもあります。
語学学校はレベル別にクラスが用意されていますが、その初級〜中級レベルに日本人が一番集まります。
だから、最初から上級クラスに入るというのはひとつの方法です。
そのためには、出発前にできるだけの準備をしておくことが必要です。「家に帰るまでが遠足」と昔学校の先生に言われましたよね。留学は、「日本にいるときから始まっている」のです。英単語をできるだけ覚えて、現地で使いそうな表現をできるだけ覚えて、基礎的な文法事項をできるだけ復習して、、、そういう出発前の努力ができるかどうか。
他にも、周りが日本人だらけであっても現地で英語を使う方法はいくらでもあります。
バンクーバーやトロントといった人気都市を避けて、日本人が比較的少ない都市で留学生活を送るというのももちろん一つの手です。環境に流されやすいタイプ、意志を強く持って妥協を許さないタイプ、など人によってタイプがあると思うので、そこをベースに留学都市を選ぶのもいいでしょう。
また、昨日ランチをした生徒さんは、カナダ人の友人を日本人の友達に紹介してもらって、毎週カフェをしていたそうです。そうやって、与えられた環境の中で自分にできることがないかを探す姿勢も、留学においては非常に大切になってきます。
自分にできること、全部できていますか?
出発前に思い描いていた理想の留学生活と、実際の現地での生活にギャップがない人なんていないと思います。多くの方が、自分も含めてですが、「こんなはずじゃなかった」という経験をするはずです。
そんなときにはぜひ、自分には何ができるかな?と思考を巡らせてほしいと思います。
周りに日本人が多いから、など与えられた環境に原因を求めてしまうこともある。そんなときにふと立ち止まって、現状を第三者目線で捉えられるか?「環境のせいにしてるんじゃないか」と自分に言い聞かせられるかどうか?
そこが、留学を成功させられるか、失敗で終わらせるかの大きな分かれ道になると思います。
Naoki