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やれと言われるとやりたくなくなる

「ゲームは1時間までにしなさいよ」

子供の頃、僕の家にはゲームは1時間までというルールがあった。そういう約束をして初めて買ってもらったゲームがポケモンのグリーンだ。

はじめは時間をきちんと守ってやっていたけれど、そのうち「もっとやりたい」という気持ちが出てきてついつい1時間を過ぎてしまう。そうするとすぐに「ゲームは1時間までと言ったでしょ」とお叱りの声が聞こえてくる。

「あーそうだった、いけないいけない」とその場でレポートを書いて電源を切れればよかったが、若かりし頃の僕はいつしか我が家の「1時間ルール」をこっそり破るためにどうするかを考えていた。



というような経験、みなさんにもありませんでしょうか?

これは「reactance」(心理的リアクタンス理論)といって

自分の選択的自由が外部(ルールや命令など)から脅かされたときに、その自由を回復しようとする作用だそうです。

1時間ルールに反抗することで自分の選択的自由を守ろうとしていたんですね。

「早く部屋を掃除しなさい」「宿題やったの?」と親に言われて「今やろうと思ってたところだったのに」とやる気を失うのもこの心理的リアクタンスが関係しています。

この理論によってもたらされる効果はいくつかあります。

効果その1:カリギュラ効果

物事を禁止されるとむしろやりたくなってしまうという心理作用。過激な描写のせいで次々に上映が中止になった「カリギュラ」という映画が、一度公開されたのに立て続けに禁止されたことがかえって人の興味に火をつけてしまい、まだ中止されていない劇場に客が殺到した、という事件から命名されたそう。

効果その2:ブーメラン効果

「やろうと思っていたのに!」をもたらす心理作用。説得してきた人の言う通りにすることが、「相手に動かされた」、つまり自分の選択的自由を失うことにつながると考えて、言う通りにしたくなくなるというもの。

冒頭のポケモンの話や部屋の掃除や宿題の話もこれに該当します。

 

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Naoki