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カナダで最も有名なSUZUKIさん

TOYOTA、HONDA、YAMAHA、SUZUKI…

外国人に知っている日本の名前を挙げてもらったらこの辺が出てくるのではないでしょうか。

バンクーバの現地情報サイト「ライフバンクーバー」によると、

地元の人に「知っている日本人または日系人って言ったら誰?」と聞くと、ほとんどの人がデヴィッド・スズキ氏の名前を挙げます。

とのことです。



(出典:VANCOUVER IS AWESOME

どうやらかなり有名なようですので、「日本人なら当然デヴィッド・スズキのことは知ってるよね?彼ってすごいよね!」と話が振られることもあるかもしれません。(僕個人はそういうことはありませんでしたが)

いったいどんな方なのか、ご紹介していきたいと思います。

なぜそんなに有名なのか?

彼を一躍有名にしたのは、1979年放送開始の「The Nature of Things with David Suzuki」というTV番組です。



(出典:curio.ca

もともと1960年から「The Nature of Things」というタイトルで様々な司会者をゲストに迎えて自然環境をテーマに放送していた30分番組だったのが、1979年以降はデヴィッド・スズキさんが司会(ナレーター)の冠番組となり、放送時間も1時間に拡大。カナダの国営局であるCBC(Canadian Broadcasting Corporation)の番組で、同局のドキュメンタリーシリーズとしては歴代最長のロングラン記録を更新中です。


そもそもデヴィッド・スズキさんとは?

生物学者であり、環境運動家でもある日系3世のカナディアンです。1936年生まれの現在84歳!人類と自然との共生をテーマに、行き過ぎた文明化に警鐘を鳴らしてきました。

私たちの幸せは、人とのつながりの中にある。「KYOTO地球環境の殿堂」を受賞した、デヴィッド・スズキ博士の来日講演を完全レポート!

バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州の名門大学、UBC(University of British Columbia)で40年近く教鞭をとり、2004年にはCBCが選ぶ「最も偉大なカナダ人」で5位に選出(存命するカナディアンの中では1位)、2009年には第2のノーベル賞ともいわれる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞というまさにスーパーヒーロー的な輝かしい実績を持つお方です。UBCでは名誉教授の地位までのぼりつめています。

自然への興味は幼少期に培われた

デヴィッド・スズキさんはバンクーバーでクリーニング屋を営む日系人の両親のもとに生まれます。1936年に生まれて3年後には第二次世界大戦が開戦。カナダと日本は敵対関係であったことから、デイヴィッドさんとその家族は他の日系カナディアンとともに強制収容所送りにされてしまいます。



↑強制収容所内でのデイヴィッドさんとそのお姉さんか妹さん(出典:THE CANADIAN ENCYCLOPEDIA

終戦する1945年までこの地で暮らしたデイヴィッドさんには通う学校がなかったことに加え、同年代の中で自分だけ日本語が話せなかったことからいじめの標的になってしまい、森の中を散歩したり野生動物を鑑賞したり魚釣りをしたりと、自然と触れ合うことを喜びとしていました。

終戦後は遠く離れたオンタリオ州の小さな町に移り住み、高校まで過ごしますが、ここでもいわゆる「nerd(オタク)」として扱われてしまいます。このときには、家から自転車で10分の沼地に頻繁に足を運び、様々な動植物との触れ合い、自然の神秘に魅せられるという体験をしています。

多感な時期に自然とともに過ごす時間が多かったからこそ、自然とともに生きていくことを真剣に考えるようになったのでしょう。


セヴァン・スズキさん

みなさんの中にはもしかすると、中学生の英語の教科書でセヴァン・スズキさんという方と会ったことがある方がいらっしゃるかもしれません。



(出典:HUFFPOST

1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球環境サミットで、伝説的なスピーチをしたことで知られる女性です。当時12歳だったセヴァンさんのスピーチは、子供独自の目線で大人の矛盾を鋭く痛烈に批判し拍手喝采を浴びました。



今では2児の母親となったセヴァンさんですが、この方の実のお父さんがデイヴィッドさんなのです。

カナダで最も有名な日系カナディアン、デヴィッド・スズキさん

幼少期に周りと違うからという理由でいじめられてしまう辛い経験をしながらも、自分なりの楽しみ方を見つけ、没頭した結果、世界に影響を与える人物になっていくという、思わず映画にしたくなるような人生を歩んできたデヴィッド・スズキさん。

セヴァンさんの1992年のスピーチ(上記動画)にもあったように、不言実行を貫く彼の人生には日本の侍魂が宿っているように感じます。

Naoki