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自分を救ってくれるもの

こんにちは、NAOKIです。

先週末、埼玉でBruno Marsのライブがあったので、仕事を途中で抜け出して行ってきました。
彼の生の歌声を聴くのがここ数年の夢だったので、かなりはしゃいでしまいましたが、本当に最高の夜になりました。



ところで、だれしもひとつやふたつ、自分が熱くなれるもの、打ち込めるものがあると思います。前々回のブログ(「カナダ人にとってのアイスホッケー」)でも書きましたが、熱中できるものがあると人生が豊かになることはきっと間違いありません。そして時には、そうしたものに救われることもあります。

僕はサッカーが好きで、ヨーロッパの試合を生で観戦することがずっと夢でした。

フランスに留学したときの話になりますが、1ヶ月の語学学校ののちにファームステイをしました。地中海の気持ち良い風を受けながら、動物の世話をしたり野菜を育てたり、そういうことをしたんですね。ただ、作業の指示がすべてフランス語で(当たり前ですが)、最初こそ聞き返しながらなんとかやっていたのですが、だんだんとそれも億劫になり、コミュニケーションが徐々にとれなくなっていきました。最終的に、ホストの方と喧嘩になって家を出てしまいました。

ファームステイをしたのは結果的にわずか1週間だったのですが、この1週間でメンタルはボロボロ。とにかく「日本語を使いたい」という欲求に駆られ、その後2週間ほど日本人宿に泊まりました。お店の人と会話するとき以外は、すべて日本語。

「自分はなんのためにフランスに来たのか」
「フランス語を話せるようになるために来たのにこの状況は恥ずかしくないのか」

自分を責める毎日でした。しばらくして、ようやく家が見つかり仕事も手にして生活が落ち着いたある日、たまたま現地フランスリーグのサッカーのチケットを手にし、一人で観戦に行きました。

スタジアムに入ると、日本のJリーグとはまた違う、ヨーロッパサッカー独特の雰囲気に包まれていました。自分の席につき、スタジアムを見渡します。自分が長年夢見た光景が目の前に広がっている。それを実感したとき、涙がこぼれでてきました。心から幸せを感じたのです。

「生きてきてよかった」

そう言うと大げさかもしれませんが、ファームステイ時代からずっと引きずっていた重荷が、この日を境にふっと軽くなったような、そんな気がしました。僕は、自分の大好きなサッカーに救われたのです。

日本を出て違う国で暮らすと、言葉の壁にぶち当たったり、思うようにいかないことが必ずあります。そんなとき、自分の大好きなものや熱中できるものに触れてみると、すっと心が楽になるかもしれません。