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フランス語のスペルと発音

前回のブログで、フランス語が第1言語のモントリオールの地下鉄を例にフランス語の読み方を無理やりカタカナでご紹介しました。

「モントリオール留学を検討中の方必見!フランス語の読み方【地下鉄編】」

今回は、なぜそういう読み方になるのか、という点についてスペルと発音の関係性をもとにご紹介しようと思います。


フランス語の発音の鉄則

フランス語の発音はルールさえ覚えてしまえば英語よりもむしろわかりやすいです。初めて見る単語でもなんとなく読み方がわかってしまいます。前回のブログで地下鉄の駅の読み方を一覧にしましたが、実際の音を聞いたことがある駅は両手で数えるくらいしかありません。(だから発音が間違っている可能性もある、、、)

では、どんなルールがあるのでしょうか。

男, クレイジー, おかしい, おい, サングラス, 男性, 髪, 人間, 従業員, 顔, 舌, 混乱

ルール①:基本3原則

①語末のeは、[ə]あるいは無音
②hは発音しない
③語末の子音字は読まない(ことが多い)


②はそのままで、hの音はフランス語では発音しません。だから、英語習いたてのフランス人は「Hi.」を「アイ」と言います。「Hello」は「アロー」だし、「Hiroshi」さんは「イロシ」さんになります。

③は例外もありますが、基本的に最後についてる子音(a,e,i,o,u以外)は読みません。英語では複数形には必ずsをつけましょうと習います。フランス語も複数形にはsをつけるというルールがあるんですが、sは子音なので発音しません。英語でorangeの複数形はorangesとなりオレンジーズと読みますが、フランス語のorangesはオランジュのままです。オランジュズにはなりません。chocolat(チョコレートのこと)はショコラであり、ショコラットではありません。

①の語末のeの読みですが、[ə]←この発音記号見たことありますか?これは「シュワ」と呼ばれる発音記号で、母音です。日本語にはない音ですが、英語にもあるしフランス語にもあります。私が通っていた語学学校の先生はこれを「みぞおちを殴った時に思わず漏れる音」と表現していました。a,e,i,o,uのどの音でもない、そのちょうど中間の音がこのシュワとなります。

例を挙げると、

patisserie(パティスリ):これは無音
orange(オランジュ):これはシュワ
blue(ブル):これは無音

と、こんな感じです。

ルール②:特定のつづりの組み合わせ

フランス語には、あるスペルの組み合わせで特殊な読み方をするパターンがあります。

au, eau:オ Aux Champs-Élysée(オー シャンゼリゼ♩)、café au lait(カフェオレ)
ai, ei:エ Seine(セーヌ)セーヌ川のこと
ou:ウ bourgeois(ブルジョワ)位の高い人たちのこと、世界史で勉強しましたよね
oi:ウア trois(トロワ)3のこと
ch:シャ行 chanel (シャネル)、chopin(ショパン)
in:アン gratin(グラタン)、printemps(プランタン、春のこと)

これ以外にもあるんですけど、省略します。なにしろカタカナ表記が難しくて、、、

ルール③:アクセントなどの印

é, è, ê, e

eだけじゃないんですけど、なんか印がくっついてるのをたまに見かけますよね。印の向きによって発音が変わります。

é:エ Montréal(モンレアル)モントリオールの読み方
è:エー
ê:エ enquête(アンケート)
e:エまたは[ə]
ç:sの音 garçon(ギャルソン)


おおざっぱにいうとこんな感じですが、実際は日本語のエとはどれも音が微妙に異なるようです。(éとêとかは正直あんまり違いがわかってない)

地下鉄の駅名

ligne orangeの駅名だけ下に載せます。全駅を確認したい方はこちらから

【Ligne Orangeの駅名】
MONTMORENCY(モンモランスィ)
DE LA CONCORDE(デュ ラ コンコルド)
CARTIER(カルティエ)
HENRI-BOURASSA(アンリ ブラッサ)
SAUVÉ(ソヴェ)
CRÉAMZIE(クレアムズィ)
JARRY(ジャリ)
JEAN-TALON(ジャン タロン)
BEAUBIEN(ボビアン)
ROSEMONT(ロズモン)
LAURIER(ローリエ)
MONT-ROYAL(モン ロワイヤル)
SHERBROOKE(シェルブルック)
BERRI-UQAM(ベリ ウ キュ ア エム)
CHAMP-DE-MARS(シャム ドゥ マース)
PLACE-D'ARMES(プラス ダルム)
SQUARE-VICTORIA-OACI(スクアー ヴィクトリア オ ア セ イ)
BONAVENTURE(ボナヴァンチュール)
LUCIEN-L'ALLIER(ルスィアン ラリエ)
GEORGES-VANIER(ジョルジュ ヴァニエ)
LIONEL-GROULX(リオネル グルー)
PLACE-SAINT-HENRI(プラス サンタンリ)
VENDÔME(ヴァンドーム)
VILLA-MARIA(ヴィラ マリア)
SNOWDON(スノウドン)
CÔTE-SAINTE-CATHERINE(コットゥ サントゥ キャトリーヌ)
PLAMONDON(プラモンドン)
NAMUR(ナミュール)
DE LA SAVANE(ドゥ ラ サヴァンヌ)
DU COLLÈGE(ドゥ コレージュ)
CÔTE-VERTU(コットゥ ヴェルトゥ)



他にも細かいフランス語の発音ルールはありますが、これだけ知っておけばなんとなく地下鉄の駅が読めるようになると思います。モントリオールには通りの名前、バス停の広告などいたるところにフランス語があふれていますので、目に入ったフランス語をどんどん読んでみてください!

(モントリオールで話されているフランス語はフランスのフランス語とちょっと違います。通称quebecois(ケベコワ)と呼ばれるカナディアンフレンチとの違いについては自分も知らないことだらけなので勉強します)

Naoki