なぜカナダの首都はオタワなのか?
日本の首都は東京です。経済、流行の発信地であり、れっきとした日本屈指の大都市なわけです。子供のときから「東京=首都」と知っている僕ら日本人にとって、「首都」のイメージは「その国で一番栄えてる場所」ではないでしょうか。(僕はそうです)
だからでしょうか、セミナーなどでカナダの首都はどこでしょうと聞くと8割くらいがバンクーバーかトロントと答えます。バンクーバー、トロントはカナダでは留学先として人気都市であり、世界的にも名が知られた大都市であります。
が、違います。オタワです。カナダの首都はオタワです。
オタワがカナダの首都の理由
①イギリスのビクトリア女王が決めた
カナダの土地は、最初フランス人によって開拓され、その後イギリス領になりました。(
カナダの成り立ちはこちら)
イギリス領ではありますが、フランス系移民も一定数いたわけです。イギリス系住民が多い「アッパーカナダ」(現在トロントのあるオンタリオ州)、フランス系住民が多い「ローワーカナダ」(現在モントリオールがあるケベック州)とエリアが分かれていきました。そしてこのイギリス系とフランス系というのは、主流派のイギリス系と圧迫されるフランス系という構図を抱え、絶えず争っていました。
この状態を見かねたイギリスのビクトリア女王がアッパーとローワーのちょうど中心にあるオタワを首都にしたのは1857年のこと。首都の候補はトロントやモントリオールなど4都市あったらしいのですが、トロントはイギリス領、モントリオールだとフランス領で偏りが出てしまうため、その中間地点であるオタワに決めてしまったそうです。
②アメリカ国境から距離がある
当時アメリカは北への侵攻をもくろんでいてカナダにとっては怖い存在でした。国の中心となる首都はできるだけアメリカから遠いところの方がよかったという背景もあります。トロントもモントリオールもアメリカ国境からほど近かったのですが、オタワはいい感じの距離だぞ、ということがオタワが首都になった理由のもうひとつです。
オタワの特徴
オタワは世界的にあまり知られていないのですが、世界で最も美しい都市のひとつといわれています。工場がなく空気が澄んでいて、公園も多いのでのどかな雰囲気で落ち着くことができる場所です。
カナダの現首相ジャスティン・トルドーさんの出身地でもあります。
ただオタワは寒い。首都としては、モンゴルのウランバートル、カザフスタンのアスタナに次いで3番目に厳しい寒さです。夏は真夏日もありますが、冬は平均気温が-10℃。寒波がやってくると-30℃、日中でも-20℃までしか気温が上がらない日もあります。雪はそれほど多くはありませんがとにかく寒いです。
街の中心を走るリドー運河は冬場はスケートリンクとなり、多くの人で賑わいます。
これが
こうなります。
オタワは都会感や刺激を求めている方や、ワーホリで仕事探しするにはあまり向かない都市でもありますが、滞在中に一度は訪れてみるとおもしろい街ではないかとおもいます。僕は行ったことありませんが、東出は絶賛しています。「すっごいきれい、絶対行くべき!街中歩いてたらまず日本人出会わない!おれはオタワ好きだね!絶対行くべき!」とのことです。
Naoki